国際文化研究科Graduate School of International Cultural Studies
大学院合同ゼミと研究グループ
国際文化研究科では、大学院合同ゼミ(正式科目名は「国際文化特殊演習」)を開くことで院生に対する研究指導の効果を高めるとともに、院生どうしが学問的に刺激し合う研究活動の場づくりを進めています。この合同ゼミの枠組みで、現在、フィールド系を中心とする人文?社会科学の分野、多文化状況と言語に関わる現代的な課題を研究する分野、文献史学の研究課題を史学史に照らして考える分野、「マイノリティと言語?国家?社会」に関係する諸テーマを考察する分野、コミュニティ通訳学の研究方法を検討するグループの計5クラスが開講されています。
大学院合同ゼミの運営を担っているのは、近接する分野の教員?院生が集まる研究グループです。カリキュラム表の研究分野区分とは違って、研究の目的意識や中核的テーマで結ばれているのが研究グループの特徴です。
「国際文化特殊演習」(大学院合同ゼミ)、研究グループの特色や活動はこちらをご覧ください。
「国際文化特殊演習」(大学院合同ゼミ)の開講クラスおよび活動中の研究グループは次のとおりです。
国際文化特殊演習(大学院合同ゼミ)
国際文化特殊演習 aクラス
本合同ゼミの中心は、博士前期課程院生の研究発表である。定期的に報告することで修士論文提出に向けた作業を着実に進めるとともに、報告後の活発な質疑応答から有益な助言やヒントが得られるようになっている。また、博士後期課程院生や本研究科の教員、関連分野の学外研究者などの報告を聞き、議論を通じて学ぶことができる。
対象分野
フィールド系を中?とする社会科学の分野(地理学、?類学、社会学、政治経済学など)
運営の中心となる研究グループ
多様性のフィールド学
国際文化特殊演習 bクラス
本合同ゼミでは、月2回のペースで研究発表をおこなっており、さまざまなテーマを通じて、積極的な議論がなされている。大学院生10名、学部生1名、教員9名に加え、テーマに応じて、他の教員や院生もオブザーバ参加している。
対象分野
社会言語学、言語教育学、通訳学、異文化コミュニケーション、エスニシティ、多文化共生
運営の中心となる研究グループ
多文化社会と言語
国際文化特殊演習 cクラス
本合同ゼミは、文献?考古?美術?思想などを素材に、時代と地域を問わない対象を扱っている。博士前期課程院生の研究発表を中心に、博士後期課程院生や本研究科の教員、関連分野の学外研究者などの報告を聞き、議論を通じて学ぶことができる。
対象分野
歴史学を中心とする人文科学の分野
運営の中心となる研究グループ
歴史学の潮流
国際文化特殊演習 dクラス
本合同ゼミは、月2回の頻度で研究発表を行っている。参加者は、本研究科院生、本学卒業生、本研究科修了生、本学教員など多様であり、できるだけ所属や立場の壁を作らずに、自由闊達な議論ができるよう心掛けている。また特に、博士前期課程院生の場合には修士論文の作成のための、博士後期課程院生の場合には博士論文の作成のための助言も行っている。2023年度グローバル学術交流事業「言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か」に参加する。
対象分野
「マイノリティと言語?国家?社会」に関係する諸分野(社会言語学、文化人類学、社会学、政治学、歴史学、等々)
運営の中心となる研究グループ
マイノリティと言語?国家?社会
国際文化特殊演習 eクラス
本合同ゼミは、コミュニティ通訳学コース履修者が修士論文?特定課題研究を執筆するための研究方法に焦点をあてて議論する場として開催している。bクラスと密接に連携して月に2回のペースで開催している。
対象分野
コミュニティ通訳学の質的研究方法を検討する(社会言語学、言語人類学、会話分析、オーラルヒストリー、ナラティブ分析、インタビュー分析、等)
運営の中心となる研究グループ
コミュニティ通訳研究へのアプローチ
研究グループ
多様性のフィールド学
代表:亀井伸孝
本研究グループは、人?情報?資本が飛び交うグローバル世界の動態を明らかにし、環境?文化?社会が複合する人類の多様性を培うための研究実践に到達することを大きな目標としている。研究の方法論として、地理学、文化人類学、地域社会学など、フィールド調査に重きを置く現場主義を共有し、大学院合同ゼミ「国際文化特殊演習(aクラス)」を運営している。
また、国内外におけるフィールドワークに根ざした教育?研究を推進するため、調査実習やそのための教員間の情報交換などを活発に行っている。
多文化社会と言語
代表:東 弘子
人やモノ?情報が簡単に国境を越えて移動する現代において、世界各地で社会の多文化化?多言語化が進んでおり、日本も例外ではない。本研究グループでは、社会言語学、言語教育学、異文化コミュニケーション、エスニシティ、多文化共生といった立場から、主に日本国内の多文化状況と言語にかかわるさまざまな現代的な課題を取り上げ、調査?分析を進める。具体的には、地域社会とエスニック集団の動態、多文化共生施策の研究、コミュニティ通訳、情報保障、外国にルーツを持つ人びとへの日本語(学習)支援、などが課題となる。
歴史学の潮流
代表:上川通夫
歴史学には本質的にグローバルとローカルの視点がある。世界史的な比較、接触地域間の連関確認、日常生活における普遍性の発見、などである。そのこと考えなくても考証論文は書ける。とはいえ、史料に付着する主観、先行研究の認識枠組み、研究主体の世界観などから自由になるには努力がいる。そこで、「すべての歴史的認識は現代史的認識である」という鉄則にあらためて向き合い、研究潮流の由来と問題を掘り下げ、歴史学の行方を考えたい。
実証研究を大事にしつつ、歴史修正主義、新自由主義史観、認識論的展開、コロナ時代の歴史学、アカデミズムとジェンダー、といった問題を意識したい
マイノリティと言語?国家?社会
代表:奥野良知
「マイノリティと言語?国家?社会」に関係する諸分野、例えば、社会言語学、文化人類学、社会学、政治学、歴史学、等々を横断的に活用して、「マイノリティと言語?国家?社会」に関する諸テーマを考察している。決して言語のみに特化した研究グループではない。また、フィールドワーク?参与観察?聞き取り調査等は、文献調査と並んで、「マイノリティと言語?国家?社会」という研究テーマにとって重要な調査方法である。2023年度の場合、佐野?亀井?奥野が組織する2023年度グローバル学術交流事業「言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か」の中で日本手話、琉球語、アイヌ語、オクシタン語、カタルーニャ語について合計3回行われる講演会を組織する。
コミュニティ通訳研究へのアプローチ
代表:吉田理加
「コミュニティ通訳」とは医療、司法、行政、教育などの場における非日本語話者と日本語話者の円滑なコミュニケーションを支援するための通訳である。「通訳」という営為や通訳を介したコミュニケーションを研究するための質的方法について議論したり、インタビューなどで収集したデータを多くの参与者の視点から分析して、テクストへの多角的アプローチを試みる。この手法は「データセッション」と呼ばれ、コミュニティ通訳研究の可能性を探求するために活用する。